タイは東南アジアで最も日系企業の進出が多いと言われていますが、実際にどのくらい、どのような企業がタイに進出しているのでしょうか?こちらの記事で紹介します。

 

タイに進出している日系企業の数について

タイに進出している日系企業について、まず東南アジア全体の進出数を紹介します。

外務省の海外進出日系企業拠点数調査によると、2020年における日本企業の東南アジアへの進出数は約15000社、そのうちの3分の1である約5900社がタイへと進出しています。

タイに進出している日系企業の数

グラフ:海外進出日系企業拠点数調査より当社作成

このグラフの通り、2番目に多いベトナムの2倍以上の企業がタイに進出しているという事になり、東南アジアへの進出にタイが多く選ばれているという事が一目瞭然となっています。

また、タイに進出している日本企業の業種は製造業、卸、小売業、サービス業の順に多く、上位3業種で全体の80%を占めています。

タイに進出している日本企業の業種

グラフ:海外進出日系企業拠点数調査より当社作成

このうち「その他」には、農業、林業、漁業、鉱業、採石業、砂利採集業教育、学習支援業、医療、福祉、電気・ガス・熱供給・水道業等が含まれており、幅広い業種の日系企業がタイに進出していることが分かります。

タイに進出している有名な日系企業20社

タイに進出している日系企業で、日本でも一度は聞いたことのあるであろう有名企業の一部を業界別に紹介します。

  • 食品・生活用品…味の素株式会社、王子製紙株式会社
  • 小売…イオン株式会社
  • 電機…株式会社東芝、キヤノン株式会社、パナソニック株式会社
  • 通信…日本電信電話株式会社(NTT)
  • 金融…株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行
  • 航空…全日本空輸株式会社(ANA)
  • 化学…AGC株式会社、東レ株式会社
  • 広告代理店…株式会社博報堂、株式会社電通
  • 総合商社…丸紅株式会社、伊藤忠商事株式会社
  • 運輸…株式会社商船三井、川崎汽船株式会社

その他、農機メーカーの株式会社クボタ、空調機でお馴染みのダイキン工業株式会社等、私たちの生活には欠かせない企業も多くタイに進出し、タイの人たちの生活を支えています。

タイに進出している日系企業の工場はどこにあるか?

上記で紹介した企業の他、タイに進出している代表的な日系企業に自動車メーカーがあります。2001年に就任したタクシン首相(当時)が「タイをアジアのデトロイトにする」と宣言してから積極的に海外の自動車メーカーを誘致し、現在はトヨタ自動車、日産自動車、ホンダ、マツダ、スズキ、いすゞ自動車、日野自動車、三菱自動車など多くの企業が進出しています。

各メーカーはタイ各地で工業団地を設け、一部は以下のように分布されています。

日本メーカーのタイ各地での工業団地

引用元:タイの完成車メーカー工場立地マップ - 自動車産業ポータル

https://www.marklines.com/ja/global/tha

タイでは、工業用地開発(工業団地または奨励されている工業区への立地)が含まれている事業の場合、1~3年の法人所得税免除や減税が恩典として与えられる制度があり、それを活用し製造拠点としてタイに進出、工場を設立する企業も多くなっています。

その為タイに進出している日系企業はバンコクに拠点を置く企業が大半ですが、工業団地については各県に設立されています。

近年は自動車部品の他電子部品も製造が盛んで、特にHDDの生産量は最盛期で全世界のおよそ半数がタイで生産されていました。ですが一方で、2011年に起きたタイの大洪水ではHDDの生産が世界的にストップするなどの影響も出ました。

 

タイが日系企業の進出先として人気の理由は?

タイが日系企業の進出先として人気の理由の一つに、BOIによる投資恩典制度があります。BOIは海外からの投資振興のためにタイ政府が設立した機関で、恩典の対象となる業種は製造業を中心にタイの産業発展に貢献する業種ですが、申請することで新しく追加されることもある為幅広い業種が対象となっています。

特に現在は、経済政策であるタイラント4.0に基づき、外国企業の先進技術を積極的に取り入れる方向性へシフトしており、最大10年間の法人所得税の免除や、機械輸入税の免除、輸出向け原材料の輸入税の免除等制度が充実化しています。

BOIについて詳しくはこちらの記事で解説しておりますので、併せてご参照ください。

輸出拠点としての魅力も人気の理由の一つです。タイは東南アジア諸国の中心に位置しており、首都バンコクの空港からは、アジアだけではなく、中東や欧州、アフリカなどへの便も出ています。

また、タイは積極的な外国企業の誘致を行った結果、他の東南アジアに比べて海外企業の進出数が多くなったのは冒頭に解説した通りですが、特に日本企業は近年までタイへの投資が一番多く、タイに投資される総額の3分の1が日本からだった期間もあります。

その実績の多さが安心感となり、タイを進出先に選ぶ企業の多さへと繋がっています。

 

様々な日系企業がタイに進出しています!

タイに進出している日系企業について紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。

進出している企業の数は大企業よりも中小企業の方が多く、BOIの制度を利用してコストを抑えて進出しています。ですがそれらを有効活用するには規約の読み込みや複雑な手続きが必要になってきます。

IDGJapanでは専門知識を持つプロフェッショナルが御社の円滑なタイ進出をサポート。ご相談は無料ですので、お気軽にお問い合わせください。

まずはご相談ください(無料).

お問い合わせをする